中途覚醒(不眠症)

一週間ほど前に年配の夫婦が、かかりつけの調剤薬局から紹介されたと来店された。寝入りは悪くないが、数時間で目覚め、その後眠れなくなるという。不眠症には、寝入りが悪い「入眠困難」、途中で目覚めて眠れなくなる「中途覚醒」、明け方に目覚めてしまう「早朝覚醒」がある。このケースでは「中途覚醒」にあたる。漢方の病名では、心血虚、心腎不交、脾胃湿熱、湿困脾胃が多いが、この男性の場合、夫人がすべて仲介されたため、状況から開竅薬を勧めた。服用された後に連絡があり「昨日はよく眠れたみたい」と喜びの報告を受けた。やはり飲み始めは眠れずにいたようだが、傍から見ていると言動や行動が良くなってきたことが分かったという。

不眠症は生活リズムや食生活が大きく影響するため、なかなか有効性が見られない事もあるが、漢方薬が体に合うと気持ちを和らげて自然な睡眠に誘ってくれる。遠方から来てくれたご夫婦だったので、少しでも喜んでもらえて嬉しい限りである。