子宝相談における清熱薬の使い方

30代女性の子宝相談ですが、お二人とも同じ処方を加えて妊娠したケースがありました。病院での診断では原因がなく、我々が見ても妊娠の可能性が高いにもかかわらずなかなか妊娠まで至りませんでした。一人目の方は9カ月間、もう一方は3年間とにかく真面目に服用いただいておりました。

我々が漢方薬を決めるうえで必要なことは、お客様の体の不調です。これがすべてな為、時間をかけて聞き取ります。このお二人の女性は体調が整い、あとは同じ処方をつづけてチャンス待ちと考えていました。しかし、妊娠反応はありませんでした。それからは補腎・免疫なども考慮して処方を組みましたが良い結果は得られませんでした。

そこで未だにのぼせるという共通点(分かりやすい言葉にすると)があり、脳を落ち着かせる意味で清熱薬が配合された補腎薬を勧めると、この漢方薬をきっかけに翌月には妊娠判定陽性となりました。この清熱薬が配合された補腎薬の症例としてフーナーテストの良くない方が改善されたり、ほてり症の足の冷えなどにもよく、当店ではよく使用した補腎薬でした。不妊症は7割が冷え性と言われていますので、部位は違えど清熱=冷却する漢方薬は処方しにくいものです。しかし、体質に沿って服用することの大切さがここにあると思います。

このお二人が9カ月間、3年間服用されてきた漢方薬は、体を整え育てるものでした。途中には「体調は問題ないです」と言って頂けたので、おそらく妊娠準備ができたところで清熱薬がきっかけとして功を奏したのだと考えています。

順調ならば妊娠初期と後期です。夏の妊娠は暑くて大変と聞きますが、元気な赤ちゃんが無事に生まれてくるよう祈っておりますので頑張ってください。