花粉症と漢方薬

浜松市は花粉の飛散量が多い地域だと思っています。私も30年ほど前には、くしゃみ10連発、ティシュが離せない、夜は鼻づまりが酷く朝にノドの痛みとひどいものでした。

鼻炎薬をはじめて購入し、その夜には口がカラカラになって、「しゃべれない」という悲惨な状況になりました。抗ヒスタミン剤は私には無理だと思い、長い間耐えてきました。

駆け出しだったので、小青竜湯や葛根湯、麻黄附子細辛湯などを服用して凌いでいました。※体調に合わないと不具合が出る場合があります。

今年のように花粉の飛散量が多い時だったと思いますが、ある日の午後から鼻水とくしゃみが止まらなくなり、漢方の師に助けを乞いました。

弁証をして頂き、出た病名は、「脾虚湿困、気滞血瘀」でした。これは素体と言って、体内で起こっている私の不具合です。これに対応した漢方薬と、鼻づまりがあったので葛根湯を加えて毎日3回服用しました。

それからは目や鼻はムズムズするものの、しっかり漢方薬を服用すれば普段に近い状態でした。5月が近くなると何ともなくなりますが、それでも素体では「脾虚湿困、気滞血瘀」を持っている為、服用を続けました。

翌年になるとやはりムズムズし始め、鼻炎症状や目のかゆみがはじまりますので、桂枝湯などを加えて対応しましたが、非常に軽度で済んだ記憶があります。

この繰り返しを何年もつづけ、途中からは気がつけば花粉シーズンが終わっていた…そんな年もありました。さすがに花粉の飛散が大量な時はくしゃみ鼻水は出ますが、今は桂枝加葛根湯ですぐ落ちつきます。

このように漢方薬で行う花粉症対策は、体の表面の漢方薬と、体内の状態を改善していく漢方薬の双方が必要です。花粉症の方ならわかると思いますが、表面の薬である葛根湯や桂枝湯、小青竜湯だけではすぐに効果が分からなくなるからです。

そしてオフシーズンこそ体質改善の絶好の機会です。次の春までにできるだけ内臓をリフレッシュして備えておきたいものです。

もう一度書きますが、花粉症対策での漢方薬はまず1処方では済みません。内傷病といって悪い体質を改善しない限り、毎年花粉症はやってきます。腰を据えて、免疫異常であるアレルギー体質を根本から癒していきましょう。