健脾散(けんぴさん)

応用範囲の広いこの処方は、私の漢方の師である稲生先生の好きな処方です。私がこの処方を長く服用している(服用できた)理由は、不具合が来ない事。

脾胃の弱い私は、昔からトイレとお友達で一番落ち着く場所でもありました。外出中にお腹をこわしてトイレを探すつらさってないと思います。そのため漢方メーカーにいた頃は「六君子湯」「平胃散」を勧められては服用していました。

症状がある時はそれなりに効くのですが、予防や脾胃を強くするために毎日飲んでいると何となくお腹に不快を覚えました。

私は隠れ胃陰虚証があったようで、胃の湿気をとるだけでは胃が乾きすぎて胃陰虚証を悪化させたようです。このような時は脾胃の湿盛を対処するだけでなく、潤いを与える健脾散の出番です。

とてもバランスの取れたよい処方ですので、体力や消化器系の立て直しに服用ください。※体質に合っているかが一番重要です。