目の乾き

毎日、漢方相談しているとよく聞く症状のひとつにこの目の乾きがある。中医学的にみると目のトラブルは「肝は目に開竅する」ことから、「肝血虚症」と捉えて「補血」を試みます。しかし、これが良くならないケースが多い。もちろん粘膜を潤す「補陰」も考えてそれなりの処方をするが良くならない。

当店によく似た体型の女性が、こんなことを話した。「夕方になると運転も辛くなるほど目がショボショボする」、別の女性は「コンタクトが引っ付いてとれないぐらい目が乾く」と。ショボショボタイプの方は、医師からドライアイではないと言われ、目が乾く方はドライアイと診断されている。

目がショボショボの方は、目の乾きではないが自己診断でドライアイではないかと話していた。そんな事からお決まり処方である「肝血虚」のための漢方薬をそれぞれ処方したが、やはりしっくりこない。

目には胃経のツボも走っていることから、「胃寒」を治す処方や「補陽薬」まで、この2人の女性に現れる症状から処方を導き出して勧めた。しかし、ことごとく無効に終わり、どうしたものかと世間話で間を繋いでいると、「私はどうしよう!どうしよう!とよく焦る」という言葉が出てきた。これを元に「心脾両虚」として漢方薬を出すと、これが著効した。それから2人ともショボショボは軽くなり、コンタクトもくっつかなくなった。

疲れが生じると症状が戻っては来るが、食事や睡眠を気をつけてもらうことで徐々に症状を言わなくなった。

症状が漢方薬で消えても、生活上の何かがきっかけで再発してまう。よくなってもしばらく服用すると不安定さもなくなってくるので細く長く続けて頂きたい。