不妊|漢方薬|浜松のくすり天龍堂

「子供が欲しい」私達は理解しているつもりでおります。子宝相談をして20年、多くを経験させて頂く中で、人を知ることが漢方相談だと考えています。相談力の違いを実感ください。

不育症・習慣性流産

病院では

1.流産

妊娠の15%が流産となり、原因の大半が染色体異常です。胎児が子宮内で生存していないことが明らかで出血や腹痛がない状態を稽留流産、子宮外に排出された場合を進行流産といいます。

2.習慣性流産・不育症

2回以上の流産・死産を不育症、流産を連続で3回以上繰り返した場合は習慣性流産といいます。

原因:子宮形態異常、カップルの染色体異常、抗リン脂質抗体症候群(APS)、内分泌の要因、血栓性の要因、そして強いストレスによる影響がありますが、日本国内では不育症カップルの約65%で原因不明です。

治療

不育症の治療として、抗リン脂質抗体症候群(APS)に対する低用量アスピリン・ヘパリン併用療法以外は確立されていません。APS以外の不育症患者にはカウンセリングから適切な治療法を選択します。

参考(「今日の治療指針 2023 私はこう治療している」総編集:福井次矢、高木誠、小室一成)

子宮内膜症と漢方

子宮内膜症と漢方の考え方

漢方では、子宮周辺が「瘀血(ドロドロ血)」の状態にある時に「胞宮瘀阻」という病名を使いますが、その病気が子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープになります。

「通ぜざれば則ち痛む」の通り、つらい痛みが伴い、将来的に妊孕性が低下すると言われています。

漢方薬は体質に合わせて服用することが、必須になります。効能効果に「生理痛」と書いてあるからと言って治るものではありませんので、選び手と製薬会社の生薬の質や製法が重要になります。

「瘀血」とは、血液の流れが滞ることを意味しますが、これは二次的に起こることが多いと言われています。まず、「瘀血」到る原因を見ていきます。

「血虚血瘀」

「血」が足らないことで「瘀血」になります。

ヒントとして、生理痛が月経期間の後半にやってくる場合に多いと言われています。

「血虚血瘀」には、芎帰調血飲第一加減に「補血」を重ねる意味で婦宝当帰膠やバランスターWZをお勧めしています。

「気滞血瘀」

「気」の流れが悪いことで「瘀血」になります。

ヒントは、排卵期の痛み、月経前症候群(PMS)があって、経血が黒っぽく、血のかたまりが出切らないと生理痛が止まないことが多いです。

「気滞血瘀」には、血腑逐瘀丸や逍遥顆粒を使用します。

これはあくまで一部であり、「気虚血瘀」、「陽虚血瘀」、「陰虚血瘀」などがあり、湿気がからむと「痰瘀互結」という頑固な瘀血になることがあります。

このように「瘀血」なら血の流れをサラサラにしてあげれば良いものではなく、原因を除く漢方薬を併用することで根治を目指します。

子宮内膜症(チョコレート嚢胞)

病院では

子宮内膜症は、内膜自体が子宮内ではなく、卵巣など他の場所で増殖するもので、女性ホルモン(エストロゲン)が深く関係しています。月経が起こる年齢で、およそ10%の発症率です。 基本的には良性ですが、内膜様の病変が浸潤・増殖することで、周辺の組織(内臓など)と頑固な癒着を起こします。

診断

腹腔鏡、超音波断層法、MRI検査によって診断が行われています。そのほか、自覚症状や医師の触診や視診、画像診断、血液検査などと組み合わせます。

治療方針

治療目的は、痛みのコントロール、妊娠の可能性を温存、病勢の進行を抑えることです。子宮内膜症は、年齢やこれから子供を授かることを考えて、薬物治療・外科的治療・不妊治療・経過観察と最も適切な治療方法を選択します。

● 痛みを伴う子宮内膜症

対症療法、不妊治療、ホルモン療法、手術(根治術ほか)

● ホルモン療法

低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤、プロゲスチン製剤、GnRHアゴニスト製剤、GnRHアンタゴニスト製剤

参考(「今日の治療指針 2023 私はこう治療している」総編集:福井次矢、高木誠、小室一成)

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起立性調節障害(OD)と漢方

季節の移り変わりによって、子どもの心と体に関する悩みが増え、なかでも思春期を迎える子どもたちが苦しんでいるのが「起立性調節障害」です。10年以上前からこのご相談はありますが、増加傾向にあります。西洋医学では非薬物療法もありますが、血圧を上げることで対処しています。

~・現代医療では・~

起立した時の血流量を調節する機能がうまくいかず、足の静脈の収縮ができないことで血の巡りが悪くなり、頭への血流が減少すると、立ちくらみや吐き気、めまい、目の前が暗くなる、失神などを起こします。

午前中に強いダルさや頭痛・腹痛、動悸、集中力の低下、長時間同じ姿勢を続ける時のふらつきもみられます。季節の変わり目や梅雨などの天候不順によっても症状が悪化しやすい。

日本小児心身医学会 の「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」では4つに分類されます。

  • 起立直後に低血圧となり、元の血圧に回復するのに時間がかかる起立直後性低血圧
  • 血圧低下なしに明らかな頻脈が起こる体位性頻脈症候群(POTS)
  • 起立中に頻脈、突然血圧低下と失神を起こす迷走神経性失神
  • 起立後、徐々に血圧が低下する遷延性起立性低血圧

治療方針

  • 病気の理解と生活習慣

・症状のメカニズム、悪化因子、好ましい生活態度を指導する。

・血圧は昼夜逆転の影響を受けるため、入眠と起床のリズムを崩さない。

・症状があっても、できることを増やし、ネガティブな考え方を変えることで、ストレスとの上手な付き合い方を得てもらう。

  • 水分や塩分をとる

水分摂取の目標 1.5~2L

  • 運動

起立耐性の維持には、抗重力運動が重要であり、身体不活動により起立耐性が低下する。運動を根気よく続けることが大切です。

  • 日常生活の工夫

・着圧ソックス:足に血液が溜まることを予防

・起立前に手を握る動作をくりかえす

・前傾姿勢でゆっくり起立する

  • 薬物療法

第一選択薬:ミドドリン錠

昇圧薬 交感神経の活動を活発にし血圧を上げることで低血圧症によるふらつき、めまいなどの症状を改善する薬

参考(「今日の治療指針 2023 私はこう治療している」総編集:福井次矢、高木誠、小室一成)

~・漢方の考え・~

お客様の症状を聞くと、朝が起きられずギリギリまで寝ている、何とか車で送っていくが、授業を受けているのが苦痛になり早退する。という声が共通しています。文化部ですが、午後になれば出席できるという方もおりました。そして悪化条件は季節の変わり目や雨の降る前など気象条件も良く聞かれますし、部長を任せられ重圧がきっかけとなったというケースもあります。

これはテンションが上がらないから起きられないと置き換えれば、体内の活動性を上げることができたなら、本来のご自身に戻れるのではないでしょうか。

このテンションとかかわりがある漢方用語が「気」の力です。とても大切な要素で行動や性格まで影響するエネルギーになります。

大まかな「気」の病

気の滞り(気滞):「初病は気にあり」という言葉が臨床家の中で言われています。

「気」は全身をめぐっているので、体内のどの部分・五臓六腑・経絡(つぼ)に症状が起こっても、まず「気」のめぐりが障害されて「気滞」という病的状態が発生します。

【気滞を起こす原因】

・精神情緒の抑うつ(気分が落ち込んで何もする気がしない状態)

・飲食の失調(食欲を調節する機能を失う)

・自然環境の影響(寒さ・暑さ・風・湿度が身体に及ぼす)

・外傷

その他多くの原因が「気」のめぐりに悪い影響を及ぼして「気滞」を発生させます。

次の「気虚」に関わることですが、「気」のめぐりが無力(体力低下)な場合でも気滞が起こります。精神情緒、言い換えるとストレスに関連して起こる「気滞」を「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といいますが、他人への察しを重んじる日本人が多く起こる病態です。

気の不足(気虚):

主に元気不足・内臓機能の低下・外的要因(細菌など)に対する抵抗力が起こります。

【主な症状】

・倦怠無力感

・声に力がない

・息切れ

・汗をかく

【原因】

・出血後、大病後

・冷えたものの飲食

・よく寝ている、座りっぱなし

・生活リズムの乱れ

・考えすぎる

消化器は「脾胃」と呼ばれ、「脾は後天の源」「気の源」と言われています。この「脾胃」に負担を掛けることで「気虚」が発生します。「主な症状」に書かれているように、血圧が上がらない状況がやってきます。

陽気の不足(陽虚):

「気虚」を放置しておくと、「陽虚」を発生させます。

【主な症状】

・汗がでて皮膚が冷たく

・無欲状(興味がない)

・著しい場合には意識がもうろうとする

・全体的にからだが温まらない

・むくみやすい

☆他にも「血」「陰」に関わることもあるので、体質の見分けが必要です。

眼瞼けいれん(眼瞼ミオキミア)

眼瞼けいれん(眼瞼ミオキミア)

眼瞼けいれん(眼瞼ミオキミア)

眼の斜め下付近に「ピクピク」と感じます。他人からは分からない場合と、分かる場合がありますが、はじまるととても気になる症状です。まぶたを動かしているのが脳なので、中枢神経の不具合になります。目の周辺症状、不安などの神経症状を伴う場合もあります。

原因:ストレス性と考えられ、休息や睡眠で改善します。

治療:根本的な治療はありません。

角膜内皮障害

角膜内皮障害

角膜内皮障害

角膜の5層のうち、一番内側にある内皮は角膜の透明度を維持する役割があります。内皮細胞の密度がある限界を超えて少なくなると、角膜にむくみがでて角膜の透明度が維持できなくなる。(湿邪)

※角膜内皮は一度障害されると、二度と元には戻らない。

治療:軽度むくみは点眼薬、治療用コンタクトレンズがある。

翼状片

翼状片

翼状片

目頭側から三角形に伸びた結膜の異常な増殖が見られます。悪性ではありませんが、黒目まで広く突出してくると乱視が悪化して視力が低下します。

治療:切除術により摘出しますが、再発を起こしやすいと言われています。

結膜下出血

結膜下出血

結膜下出血

白目をおおう粘膜が結膜と言いますが、ここにある細い血管が出血した状態を言います。

症状:目の痛みやかゆみなど自覚症状はありませんが、異物感を感じる方がいます。

原因:誘発させる要因がなくても起こることがあり、原因不明が多いようです。しかし、生活習慣病などが基礎にある方は、引き金になります。

治療:軽度の場合は、治療する必要はありません。しかし、外傷を受けた場合、症状がある場合、そして頻度が高い場合は眼科の受診が必要です。

網膜静脈分枝閉塞症

網膜静脈分枝閉塞症

網膜静脈分枝閉塞症

網膜静脈の枝分かれした血管がつまることで血流が悪くなって、眼底出血する病気です。

動脈硬化がある方は注意が必要です。

症状:視野が狭くなる、視力低下、ものがひずんで見えることが急速に起こりますが、無症状で気が付かないこともあります。

原因:動脈硬化、高血圧症が原因で、60代での発症が多いようです。生活習慣病の治療も並行して行うことも必要です。

治療:抗VEGF治療がほとんどで、眼内へ注射することで黄斑部のむくみを改善して病気の進行を抑えます。

黄斑部変性症

黄斑部変性症

黄斑部変性症

加齢によって網膜の一部に故障が起きる病気です。見たいところが見えにくいとてももどかしい症状です。日本では少なかったこの黄斑部変性症は、生活の欧米化から近年増加し、失明原因の第四位となっています。

網膜の下には網膜色素上皮細胞がありますが、加齢によって更にその下へ老廃物がたまり、これが障害を起こすのです。

症状:視力低下、中心暗点(視界の真ん中が見えなくなる)、変視症といって物がゆがんで見えます。

・萎縮型:現在では治療法がない。

・滲出型:治療法はいくつかある(目的は、新生血管の拡大を抑えて退縮)

これによって視力を維持します。視力が良くなることもありますが、正常な視力に戻ることはないようです。