胞宮瘀阻(子宮周辺の病)と漢方の考え方

漢方では、子宮周辺が「瘀血(ドロドロ血)」の状態にある時に「胞宮瘀阻」という病名を使いますが、その病気が子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープになります。

「通ぜざれば則ち痛む」の通り、つらい痛みが伴い、将来的に妊孕性が低下すると言われています。

漢方薬は体質に合わせて服用することが、必須になります。効能効果に「生理痛」と書いてあるからと言って治るものではありませんので、選び手と製薬会社の生薬の質や製法が重要になります。

「瘀血」とは、血液の流れが滞ることを意味しますが、これは二次的に起こることが多いと言われています。まず、「瘀血」到る原因を見ていきます。

「血虚血瘀」

「血」が足らないことで「瘀血」になります。

ヒントとして、生理痛が月経期間の後半にやってくる場合に多いと言われています。

「血虚血瘀」には、芎帰調血飲第一加減に「補血」を重ねる意味で婦宝当帰膠やバランスターWZをお勧めしています。

「気滞血瘀」

「気」の流れが悪いことで「瘀血」になります。

ヒントは、排卵期の痛み、月経前症候群(PMS)があって、経血が黒っぽく、血のかたまりが出切らないと生理痛が止まないことが多いです。

「気滞血瘀」には、血腑逐瘀丸や逍遥顆粒を使用します。

これはあくまで一部であり、「気虚血瘀」、「陽虚血瘀」、「陰虚血瘀」などがあり、湿気がからむと「痰瘀互結」という頑固な瘀血になることがあります。

このように「瘀血」なら血の流れをサラサラにしてあげれば良いものではなく、原因を除く漢方薬を併用することで根治を目指します。