30才代の女性が子宝相談の目的で来店された。まるでファッション雑誌から抜け出たような容姿である。婦人科の情報から常見症状まで聞いていくと、いつの頃からか寒暖差による鼻炎が強くなり、鼻水が止まらなくなるという。状況としては、暑い夏にクーラーのきいた店などに入ると発症する。不妊治療はIVFまで進んでいる。
本来であれば、婦人科疾患に関わらず不快な症状があればそれを含め治療するのが漢方相談である。しかし、慢性鼻炎は大敵、参考程度にとどめて婦人病処方を中心に3処方勧めた。
30日後に再来店され、調子を聞くと本人も「そう言えば…」と忘れている程に鼻炎がない。その他の症状の有無を聞き取り、漢方薬の方向性が合っていることを確認して処方を続けた。2か月後には無事妊娠され継続中である。
今回の鼻炎は、鼻粘膜の血流が良くなったことで解消したと考える。本来、鼻炎だけを追って処方したらこんなにも早く解消することはなかったと思う。