中風歴節病

「それ風の病たるまさに半身不随すべし。或はただ臂とげざる者は、これ痺となす。脈微にして数なるは中風しからしむ。」

『傷寒雑病論』の金匱要略にある中風歴節病の第一条です。中風とは風の病で半身不随になるが、前腕だけ動かないのは「痺」と鑑別しています。中風の脈證は微数とあり、微は正気が虚した状態を指し、数は邪実を意味します。正虚邪実ということですね。

中風とは今の卒中にあたります。以上のことから卒中で倒れる場合には、基本的に肉体疲労がベースになり、その弱った状態に外気である「風邪」が体内の奥深くへ侵入することで発症します。

今後、誰でも起こりうる卒中は死因第四位に入っています。お分かりのように体力を落としたまま何の策も講じないと怖い「風邪」が入ってきます。「風は万病の元」とはよく言ったものですね。

我々のような年代になれば、栄養剤は常備していると思います。単にその日の疲れや気合を入れるためのものだけでなく、近い将来に起こりうる病の芽を摘んでくれるのです。どんな栄養剤も疲労がない時が飲み時、ご自身に合った滋養強壮剤を漢方家から選んでもらいましょう。